Multi-ChromatoAnalysT

操作マニュアル

LC/MS・GC/MSデータの読み込みから、クロマトグラム定量、検量線、統計解析、AI/Meta Pick、Assistantまでを、初めて使う方にも追える順序で説明します。

Version 2.0.1.3 Windows 64-bit 改訂日: 2026-08-08

1.本ソフトについて

Multi-ChromatoAnalysT(以下、mCAT)は、多数のサンプルとクロマトグラムを同じ画面で比較し、ピーク範囲の設定、面積・高さの集計、検量線、統計解析までを一つの作業環境で行うWindows用アプリケーションです。同じ測定条件で取得したサンプルの一括解析を主な用途としています。

Ver.2.0.1.3で押さえる変更点

Settingの移動

設定画面はEdit > Settingから開きます。設定tabはMainStatsShowの3つに整理されました。

列ごとの小数桁

Setting > Showで、Conc.やCompound欄の数値列ごとに表示小数桁を設定できます。指定桁まで0を補い、2桁なら1.00と表示します。

TICのRT統合

Show > LCD options > Merge RTで、近接するTIC点を読み込み時に統合できます。大きなTICを扱う際の表示・解析負荷を調整できます。

Assistant内マニュアル検索

検索語に合う説明をAssistant枠内へHTML表示できます。起動時はManualとMemoryがOFFで、必要な項目だけを個別に表示できます。Adviceは常時利用できます。

Smoothing / Saturation

平滑化とsaturation補正の表示に加え、必要な場合は同じ処理済みchromatogramをArea、Height、baseline、threshold、Judgementにも使用できます。

解析前チェック付きStats

Precheck / Box plotで使用Compoundを選び、PCA、OPLS-DA、Volcano、Dendrogramをtab選択時に計算します。

64-bit版

配布方式は64-bit版に統一されています。実行ファイルだけを移動せず、配布フォルダ全体を使用します。

本書の位置づけ: 画面操作と結果の読み方を説明します。定量法の妥当性、検量範囲、標準試料、QC、統計学的判断は、各施設のSOPと分析目的に従って確認してください。

Assistant検索のヒント: 画面に表示された語をそのまま入力すると見つけやすくなります。例: Decimal pointMerge RTSaturation intensityIntensity thresholdWLSLoad projectOPLS-DA。日本語では「小数桁 表示」「TIC 統合」「面積」「検量線」「プロジェクト追加」のように、機能名と目的を組み合わせて検索してください。

2.動作環境と起動

推奨環境

項目要件・推奨
OSWindows 10 / Windows 11、64 bit
配布形式64-bit版
CPU / メモリ4 core以上、16 GB以上を推奨。大量のサンプルや統計解析を扱う場合は、十分な空きメモリを確保してください。
画面表示グラフが正しく表示されない場合は、グラフィックドライバーを更新し、リモート接続ではローカルPCでも確認してください。
入力装置ホイール付きマウスを推奨。クロマトグラムの拡大縮小と範囲操作に使用します。

配布フォルダをそのまま使う

配布フォルダを展開し、Multi-ChromatoAnalysT.exeをダブルクリックして起動します。実行ファイルだけを別の場所へ移動しないでください。

配布フォルダ内のファイルを削除しないでください。 実行ファイルだけを別の場所へコピーすると、起動やグラフ表示ができないことがあります。配布フォルダ全体を同じ構成のまま使用してください。

Versionとライセンス状態

Help > Versionで、実行中のversionとライセンス期限を確認できます。Ver.2.0.1.3は、ライセンスがない場合でも2026年8月31日 23:59:59まで使用できます。それ以降は有効なライセンスが必要です。ネットワーク時刻を取得できない場合はPCのローカル時刻を使用します。

3.最短操作

初回は次の流れだけで、読み込みから結果確認まで進められます。

1Open Data
またはDrop
2Sampleを
選択
3Compoundを
選択
4Area valueと
threshold
5範囲を
左drag
6Report /
Save project
  1. データを読み込む
    File > Open Dataでファイルまたはデータフォルダを選ぶか、Sample欄へドラッグ&ドロップします。
  2. Sampleを選ぶ
    Sample欄で表示したいサンプルを選びます。見出しSampleを押すと全選択できます。
  3. Compoundを選ぶ
    Compound欄で対象を選ぶと、中央にクロマトグラムが表示されます。
  4. 定量条件を選ぶ
    右欄のArea valueを選び、必要ならIntensity thresholdを入力します。初回はabove zero、threshold 0から確認します。
  5. ピーク範囲を指定する
    クロマトグラム上で左ドラッグします。Areaの塗りつぶしと、Compound欄のStart / End / RT / Height / Area / Judgementを確認します。
  6. 保存または集計する
    File > Save project (.mcatproj)で作業状態を保存します。集計はEdit > Report Sheetを開いてSummaryを押します。

4.メイン画面

メイン画面は、左側にSample欄、その右上(Chromatogramの上)にCompound欄を配置しています。Compound欄の下では、左側にChromatogram、その右側に操作欄が並びます。

Sample欄測定サンプル、Group、Conc.を表示します。
Compound欄化合物、範囲、Area、Height、RT、Q1/Q3、判定などを表示します。
Chromatogram選択中のSample × Compoundを重ね描きします。範囲指定、拡大縮小、DataCursor、Legendを操作します。
操作欄Front Displayed Sample、Area value、threshold、Copy、色、Alignment、Range、Style、Offsetを設定します。

上部メニュー

メニュー内容
FileOpen Data、Excel Import / Export、project保存 / 読み込み。
EditEdit SheetReport SheetSetting
HelpVersion、🐱 Assistant。AutoPilotはエンジニア設定時だけ使用します。

Sample欄

読み込んだサンプルを表示します。GroupAllG1からG9CCから選びます。Conc.はGroupがCCのとき入力できます。Conc.の表示小数桁はEdit > Setting > Showで設定します。複数選択は通常のWindows操作と同じく、CtrlまたはShiftを使用します。

Compound欄

一つのSampleを基準に列値を表示します。どのサンプルの値を前面表示するかは右欄のFront Displayed Sampleで切り替えます。表示列のON / OFFと数値列ごとの小数桁はEdit > Setting > Showで整理できます。小数桁の一括入力欄はメイン画面にはありません。

主な列内容
Start(s) / End(s)ユーザーが指定した解析範囲。複数ピーク時は複数値を保持します。
RT / Height(s) / Area(s)範囲内のピーク位置、最大高さ、積分面積。表示小数桁は列ごとに設定でき、Area / Heightは3桁区切りを保ちます。
Peak start / end / widththresholdに基づく検出点と、基線からapexまでの80% levelで求めたpeak width。
Judgement(s)範囲・強度・基線から求めた状態。背景色でも表示します。
ΔRT shiftAlignmentによる保持時間補正。
Q1 / CE(V) / Q3precursor、collision energy、productなどの質量分析情報。
ISTD / Calib内部標準と検量線の設定。
Comment / Comment2名称・集計用commentと補助情報。読み込み時は、取得できた名称がCommentへ入ります。

並べ替え

薄い赤色の見出しをクリックすると、IDRTCommentQ1で昇順 / 降順を切り替えます。Q1で同値の場合は、どちらの方向でも第2keyのIDを昇順に固定します。

5.データ読み込み

File > Open Data

  1. File > Open Dataを選びます。
  2. 通常フォルダはダブルクリックして移動します。測定データとして扱うフォルダは、そのフォルダ自体を選択します。
  3. CtrlまたはShiftで、同じ画面内のファイルとデータフォルダを複数選択します。
  4. Openを押します。ファイルまたはフォルダの種類が自動判定され、読み込みが始まります。

上部path欄へファイルまたはフォルダのfull pathを入力して開くこともできます。複数選択時は、設定したLoad parallelの範囲で並列読み込みします。

ドラッグ&ドロップ

ExplorerからSample欄へ、複数のファイルやデータフォルダを直接Dropできます。処理開始・完了、認識した形式、対応外や重複の理由はstatusと、Assistant有効時の案内に表示されます。

対応形式

形式読み込み内容準備・注意
.lcdファイルMRM、SRMのクロマトグラムを読み込みます。測定ファイルを選択してください。
.dデータフォルダMRMを読み込みます。スキャンデータはXIC sheetから抽出します。.dフォルダそのものを選びます。フォルダ内の個別ファイルは選ばないでください。
.rawデータフォルダMRMまたはクロマトグラムを読み込みます。TICを有効にするとTICも追加します。.rawフォルダ、または複数の測定フォルダを含む親フォルダを選択できます。
.rawファイルXIC sheetに従い、MS1 / MS2スキャンからXICを作成します。Polarity、MS1 / MS2、precursor、m/z範囲をXIC sheetと照合してください。
.wiffファイルMRMを読み込みます。スキャン測定ではXIC sheetからTIC / XICを作成し、複数サンプルを個別に表示します。測定時に作成された付随ファイルも同じ場所に保持してください。
NetCDF .cdfscan spectrumからXIC sheetに従いXICを作成。mass / intensity / scan time変数を持つNetCDFを対象とします。
Text .txtmCAT形式のテキストクロマトグラムを読み込みます。対応する形式で保存されたファイルを選択してください。
同じ拡張子でも測定内容が異なる場合があります。 測定モード、付随ファイルの不足、ファイル破損などにより読み込めないことがあります。初めて扱う測定条件では、既知サンプルでクロマトグラム数、RT、TIC/XIC形状を照合してください。

読込後の名称とmetadata

  • LCDで名称が空欄のchromatogramは、同じeventの直前名に_qual0_qual1のような名称を付けます。
  • 読み込み元にQ1/Q2/Q3、CE、polarityなどの情報がある場合は、Compound列へ反映します。
  • 取得できた名称はCommentへ入れ、Comment2は原則空欄にします。Polarityを名称に含める形式では、XIC内容に合わせてCommentへ反映します。

6.XIC sheet

Scan dataから特定m/zのchromatogramを作る場合は、Edit > Setting > Main > Scan XICでCSVを指定します。OpenでXIC sheetを開き、Newで雛形を作成します。CSVを編集した後は保存してから測定データを読み込んでください。

標準列

意味入力の目安
Target NameCompound名 / XIC名一意で分かりやすい名称
Polarity正 / 負ion mode+ / -、positive / negative表記に対応
MzMS1のprecursorまたは抽出m/zMolecular_formula + Precursor_ionからFill可能
ppmm/z許容幅target m/zを中心に、指定値を±方向へ均等に適用
Start / End抽出する保持時間範囲空欄時はdata範囲全体。Start > Endは入替処理
MzReffilter照合用のreference / precursor m/zMS2 filterが別m/zを必要とする場合
Mz2product ion m/z入力時はMS2 XICとしてproductを抽出。空欄はMS1
RT期待RT metadata参照値として任意入力
Molecular_formula分子式例: C8H10N4O2
Smiles構造を表すSMILESStructure popupに使用
Precursor_ionadduct / ion typedrop-downから選択。例: [M+H]+[M-H]-

Fill

  1. Molecular_formulaPrecursor_ionを入力します。
  2. Fillを押します。空欄のMz / Exactmass列とPolarityが自動計算されます。
  3. 結果を確認し、画面上部のSaveを押してCSVへ保存します。
Fillは自動保存しません。 画面上だけを更新します。既存値は原則上書きしないため、変更したいセルは必要に応じて空欄にしてからFillしてください。

Precursor_ionとStructure

Precursor_ionはdrop-downから、[M+H]+[M+Na]+[M+K]+[M+NH4]+[M+2H]2+[2M+H]+[M-H]-[M-2H]2-[M+Cl]-などを選べます。候補外の表記は手入力できますが、Fillできることを確認してください。

SMILESがある行を選択してStructureを押すと、構造式がPopup表示されます。画像は自動保存されません。必要な場合はPopupのCopyでclipboardへ送ります。

MS1 / MS2: 原則としてMz2が空欄ならMS1、値があればMS2です。MS2ではMz / MzRefをprecursor条件に、Mz2を抽出m/zに使います。結果が想定と異なる場合は、測定条件と各m/z欄を確認してください。

7.Setting

Edit > Settingで設定画面を開きます。以前のHelp内Configではなく、現在はEdit menuのSettingです。同じSetting windowは1枚だけ開き、すでに開いている場合は既存windowが前面へ移動します。設定を保存して閉じる場合はOK、変更を破棄する場合はCancelです。

Mainタブ

区分 / 項目設定内容と反映先
Area unit baseAreaの時間単位をminutesまたはsecondsから選択します。Reportへ出す値も同じ単位系で確認してください。
Legend / Data Cursor凡例はBoth、sample name、compound nameから選択します。Data CursorはLegendと同じ表示、sample name、compound nameから選択します。
Area fill opacity (%)定量範囲の塗りつぶし透過率です。0%で塗りつぶしを非表示にします。Areaの数値計算自体は停止しません。
Height/threshold subtract baselineONではHeightとIntensity thresholdの比較値からbaselineを差し引きます。above zeroのbaselineは0、その他の水平baseline modeでは選択範囲に応じた基準値を使います。
Chromatogram display: σSmoothingの強さを設定します。値を大きくすると滑らかになりますが、細いpeakや近接peakの形が変わるため、既知データで確認してください。
Raw opacity (%)Smooth black / Smooth whiteで処理済みlineと重ねるraw lineの透過率です。0%ではraw lineが見えません。
Saturation intensity0で補正を無効にします。0より大きい値では、その50%以上の点をsaturationの影響範囲とみなし、左右の低い部分から推定したsigmoid形状で置き換えます。
Use smoothing/saturation for display and quantitationOFFでは通常Styleと定量にraw dataを使用します。ONでは通常Styleも処理済みdataを表示し、Area、Height、baseline、threshold、Judgementを同じ処理済み点から計算します。
Max peaks / load1 chromatogramへ保持する最大peak数、同時に読み込むsample数、Cache上限を設定します。並列数を増やすと読み込みが速くなる場合がありますが、メモリ使用量も増えます。
Scan XICXIC sheetのCSV pathを指定します。Openは現在のsheetを開き、Newは雛形を作成します。path未設定時のdefaultは空欄です。
AutoPilot / Assistant一般利用ではAssistantのEnable、advice text、HTML manual pathだけを設定します。AutoPilotは将来利用またはエンジニア管理の項目であり、本書では設定・操作を扱いません。指示がない限り変更しないでください。
Serial / Passcode読み込まれたライセンス情報を表示します。Settingからライセンスfileを書き換える項目ではありません。
Saturation補正は推定値です。 平らになった頂部を実測値へ戻すものではありません。補正を定量へ使う場合は、未飽和の希釈系列や既知濃度試料と比較し、補正前後のArea / Height、直線性、再現性を確認してください。

Statsタブ

区分設定内容
Training / ONNX folderAI Trainingは将来利用またはエンジニア管理の項目です。本書では設定方法を扱いません。一般利用者は、エンジニアから指定された状態とfolderを変更しないでください。
PickAI PickMeta Pickは同時にONにできます。両方ONではAI情報がある対象にAI Pick、metadataだけの対象にMeta Pickを使用します。
Auto pickEdit SheetのAutoPick buttonだけを有効 / 無効にします。AI Pick / Meta Pickのcheckboxとは別の機能です。
Auto pick rangeFrom / To / Widthをminutesで設定します。Edit Sheetには0-60min width 1minのような参照表示が出ます。
PCAEnable、Labels、Preprocess、ND処理、ScoresのSamples / Compounds、Group、Point size、Opacityを設定します。
Sample groups使用group数1-9とG1-G9の色を設定します。色欄をdouble-clickするとpaletteから変更できます。Sample欄と統計plotへ同じ色を使います。

Showタブ

区分設定内容
DisplayDark modeでmain window、menu、Sample / Compound欄、scroll bar、splitterなどの配色を切り替えます。
SampleGroupConc.の列を表示するか選びます。Conc.の右側では表示小数桁を0-9から選択します。
CompoundID、Compound、Start / End、RT、Height、Area、Ranges、Judgement、Peak情報、ΔRT、Comment、Q1 / CE / Q3、Color、ISTD、Calib、Baseline、Comment2、Area value、Intensity thresholdを個別に表示 / 非表示にします。設定がない項目のdefaultは表示です。
Decimal point (0-9)Start / End、RT、Height、Area、Peak start / end / width、ΔRT、Q1 / CE / Q3、Baseline、Intensity thresholdの右側で、各列の表示小数桁を個別に選びます。例えば2を選ぶと11.00、Area / Heightの12341,234.00と表示します。
LCD options: Pump pressure読込データに存在するすべてのpump pressure traceを通常Compoundより前へ追加します。
LCD options: TICTICが取得できる形式ではTICを最初のCompoundとして追加します。OFFでは通常TICを追加しません。
LCD options: Merge RTTIC点をまとめるRT幅をminutesで設定します。0で無効、0.001 minは0.06秒です。設定幅内のintensityを合計し、代表RTはintensity加重平均で求めます。
WIFF: Sample name sourceSample欄の名称を測定内のSample nameまたはData file nameから選択します。
小数桁は表示設定です: Decimal pointはメイン画面の列表示とCopy to Clipの数値書式を整えます。ピーク範囲、保持している元の数値、Area / Heightの計算精度は変更しません。OKで保存すると、読み込み済みのSample / Compound表示にも反映されます。
Merge RTの反映: TICを読み込む時点で適用されるため、値を変更した後は対象raw dataを読み直してください。TIC以外のXIC / MRM chromatogramには適用しません。点数と形状、Area / Heightが変わる可能性があるため、まず小さい値から比較してください。
表形式の画面: Edit Sheet / Report Sheetでは、main windowのDark modeと一部の配色が異なる場合があります。

8.表示とチャート操作

選択と前面Sample

  • Sample見出しをクリックすると全Sampleを選択します。
  • Compoundは同じIDを基準に複数Sample間で重ね描きします。異なるmethodを混在させる場合はQ1/Q3と名称を確認してください。
  • Front Displayed Sampleで、Compound欄に表示するSampleを選びます。切替時はCompound欄とchartを再描画します。

基本chart操作

操作動作
Mouse wheelmain chromatogramを拡大 / 縮小。
Right drag表示範囲をpan。
DataCursorpointer位置のtime / intensityと設定名を表示。
Legend凡例のON / OFF。
LOCKONの間はchromatogram上の左click / 左dragによるpeak範囲変更だけを無効化します。wheel zoom、右drag pan、表示buttonは使用できます。
Copy to Clippictureまたはvector形式でclipboardへcopy。
R / W / G / B / P / Y / O選択Compoundのline colorを変更。対応するalphabet keyもshortcutとして使用。
Alignment / Cancel選択ピークを基準にΔRTを調整 / 解除。

画面の高さに対して操作欄が長い場合は、右端のscroll barで下部のRange、Style、Offsetまで移動できます。LOCKは不用意なrange変更を防ぐための一時的な保護です。設定やprojectを完全に編集禁止にする機能ではありません。

Style

Style labelに続くdrop-downで、次の4表示を選びます。σ、raw opacity、saturationはEdit > Setting > Main > Chromatogram displayで設定します。

  1. Dark: dark背景。通常はraw chromatogramを表示します。
  2. White: white背景。通常はraw chromatogramを表示します。
  3. Smooth black: dark背景。設定opacityのraw lineと、smoothing / saturation処理済みlineを重ねます。
  4. Smooth white: white背景。設定opacityのraw lineと、smoothing / saturation処理済みlineを重ねます。

Use smoothing/saturation for display and quantitationがONの場合、Dark / Whiteでも処理済みlineを表示し、その点列からArea / Heightなどを計算します。Smooth styleでは比較用のraw lineを残します。

Range button

  1. Rangeを押します。選択中だけchartの範囲指定modeになります。
  2. chart上を左ドラッグして、XとYを含む矩形範囲を指定します。
  3. 終了するとShow chromatogram rangeのX min / max、Yへ反映され、通常のchart modeへ戻ります。
  4. 短い左clickまたはdouble-clickでX / Yを0へ戻し、自動rangeに戻します。

Offset

Offset chromatogram plotのX / Yへ値を入力すると、複数lineをずらして比較できます。Offsetは表示用で、元のtime / intensityと定量値を変更しません。

9.ピーク範囲と面積

左ドラッグで範囲指定

  1. SampleとCompoundを選びます。
  2. Area valueIntensity thresholdを設定します。
  3. クロマトグラム上でピークを含むように左ドラッグします。
  4. 塗りつぶし、baseline、RT、Height、Area、Judgementを確認します。

短い左clickで選択中Compoundの範囲をdefaultの0へ戻します。複数ピークを許可した場合、chartには123のような番号を表示します。重ね描き時はFront Displayed Sampleの最前面chromatogramだけに番号を付けます。

Area value

選択肢基準使用上の注意
above zerobaseline = 0。最も単純。offsetがあるdataでは背景を面積に含む可能性があります。
shoulder peakshoulder peakを想定して範囲端のsignalを考慮。主peakとの分離を目視確認してください。
above start point開始側の高さを水平baselineの基準に使用。start側が安定した背景である範囲を選びます。
above end point終了側の高さを水平baselineの基準に使用。end側が安定した背景である範囲を選びます。
above min Intensity指定範囲内の最小intensityを各chromatogramの水平baselineに使用。深い負noiseがあるとbaselineが低くなるため確認が必要です。
above baselineは廃止されました。 古いproject / Import file / metadataに含まれる場合は英語の警告を表示し、above zeroへ変換します。

面積・高さ・threshold

  • 面積は指定した範囲内で、chromatogramがbaselineより上にある部分を集計します。baselineより下の部分によってAreaが負になることはありません。
  • 塗りつぶしは、面積として扱うchromatogramとbaselineの間を表示します。左右端を含めて範囲を確認できます。
  • threshold判定は重ね描きした各chromatogramごとに行います。他Sampleの高いpeakによって低いSampleを合格扱いにはしません。
  • above min Intensityのminimumとbaselineも各chromatogramごとに求めます。
  • Edit > Setting > MainHeight/threshold subtract baselineをONにすると、height / threshold比較からbaselineを差し引きます。
  • Peak widthは選択rangeそのものではなく、baselineからapexまでの80% levelの左右交点から求めます。
定量確認: 塗りつぶし表示は範囲を目視確認するためのものです。重要な定量では、既知濃度標準、blank、QCを用いてArea、baseline、threshold、integration rangeが施設SOPに合うことを検証してください。

10.JudgementとAlignment

Compound背景色

主な状態対応
Redapexが指定範囲または検出peakの左 / 右端、負Area、endpointと最大値の関係が不自然など。範囲がpeakを途中で切っていないか、baselineとΔRTを確認。
Yellow検出peakが選択range端へ接触、またはraw maximumがbaselineの3倍未満。low S/N相当の注意状態。範囲、noise、thresholdを確認。
Green上記の警告条件に該当しない。最終的な定量妥当性はchromatogramを確認。
Gray範囲はあるがArea 0、またはthreshold以下で有効signalなし。peak有無、threshold、rangeを確認。
White未指定。必要な場合はrangeを設定。

複数peakを持つCompoundでは、より重大な状態をCompound背景へ反映します。Assistant有効時はrange選択後にGreen / Yellow / Red / Grayの件数を表示し、Redを強調します。

Alignment

Alignmentは選択peakを基準にretention time差をΔRT shiftへ反映します。表示、Area / baseline計算、Judgement、Import / Exportで同じΔRTを使用します。

  • Intensity threshold以下のchromatogramにはAlignmentを適用しません。
  • 複数選択時は、有効peakがある各chromatogramを個別判定します。
  • CancelでAlignmentを解除します。
  • 補正後はpeak rangeとapexがずれていないか確認してください。

11.Group・濃度・検量線準備

G1-G9

Sample欄のGroupでG1-G9を割り当てます。Edit > Setting > Statsで使用group数と色を設定し、PCA / OPLS-DA / Volcano / Dendrogramのsample識別に使います。Settingを開閉してもmain画面で設定したGroupは保持されます。

CCとConc.

  1. 外部検量線へ使用するsampleのGroupをCCへ変更します。
  2. 有効になったConc.へ濃度を入力します。
  3. sample名に##数字がある場合、その数字を濃度の初期値として自動入力します。後から編集できます。
  4. 検量線から外すsampleはGroupをCC以外へ変更します。
単位: mCATはConc.の数値へ単位を付けません。全標準と結果で同じ単位系を使用し、reportに単位を明記してください。

12.Edit Sheet

Edit > Edit Sheetで、各Sample × Compoundのrangeとmetadataを表形式で編集します。旧版で「Edit spread sheet」と呼んでいた画面です。画面を閉じるとAssistant有効時に終了案内を表示します。

主なsheet

  • Range Start - End
  • Comment / Comment2
  • Compound name
  • Q1 / Q2 / Q3 / CE
  • Color / ISTD / Calib
  • Alignment
  • Area_value
  • Intensity_threshold

基本操作

  1. 対象sheetを選び、cellを編集します。
  2. reflectを押してmain dataへ反映します。
  3. RangeやArea_valueを変更した場合、Area / Height / RT / Judgementを再計算します。
  4. 必要なら画面上部のSaveでworkbookを保存します。
同時操作を避けてください。 Edit Sheet / Report Sheetを複数開くと、編集対象を取り違える可能性があります。Assistantは複数windowを検出した場合に警告します。

13.Report Sheetと検量線

Edit > Report Sheetで集計画面を開きます。旧版で「Report spread sheet」と呼んでいた画面です。上部は機能別button、値と回帰条件、詳細Settingsに分かれています。

上部command

Button / Control内容
Summary選択したArea / Height、ISTD、検量線条件を使ってSummaryと関連sheetを更新します。
CalibrationCalibration sheetと回帰式を作成 / 更新します。
Curve選択したCalibration rowの検量線windowを開きます。
StatsPrecheck / Box plotから統計解析windowを開きます。
SortReport内の対象を並べ替えます。実行後はCompoundと結果の対応を確認してください。
Data Bar設定したrangeを用いてcell内のdata bar表示を更新します。
Save表示中のReport workbookをExcel fileへ保存します。
SettingsDetection limit、Data bar range、従来のw=10^n scalingをpopupで設定します。
ValueAreaまたはHeightを選択します。Summary、Calibration、Statsの応答値に使います。
InterceptOnでは切片あり、Offでは原点通過の回帰式を使用します。
WLSNone1/x1/x²から回帰の重みを選び、隣のApplyでCalibrationへ反映します。

Summaryの作成

  1. Edit > Report Sheetを開きます。
  2. ValueAreaまたはHeightを選びます。
  3. 必要に応じてInterceptWLS、Settings内のDetection limitを設定します。
  4. Summaryを押してSummaryを更新します。

ISTDが空欄の場合、Summary計算では自動的に_self_として処理します。Area、Height、RT、Peak_width、Calibrationなどのsheetは結果確認とExcel同様の編集に使用できます。

WLS(回帰の重み付け)

ModeWeight使い方
Noneすべてのpointを同じ重みで回帰通常の最小二乗回帰です。
1/x濃度xが低いpointほど大きい重み濃度増加とともにばらつきが増える場合に候補となります。
1/x²1/xより低濃度側を強く重視広い濃度rangeで低濃度側の相対誤差を重視する場合に候補となります。

WLSのxはSample欄でCCへ設定した濃度です。1/x1/x²では、濃度が0以下のpointは回帰へ使用しません。選択後にWLS横のApplyを押すと、Slope、Intercept、R²、Correlation、Weighting列とpointの品質色が同じmodeで再計算されます。

WLSとw=10^nの違い: WLSは検量線pointごとの回帰重みです。Settings内のw=10^nは既存の値scaleを変更する機能で、1/xや1/x²とは別です。どちらを使用したかreportへ記録してください。

検量線の表示

  1. Calibration sheetで表示したい化合物のrowを選びます。
  2. Curveを押します。選択rowのSlope (Intercept=0)またはSlope列とformulaから、現在のUsed / Excluded状態を読み込みます。
  3. 元の検量線を残したまま、pointをクリックして新しいcurve側のUsed / Excludedを切り替えます。値そのものは削除しません。
  4. 元curveの式とR²は左上、調整中curveの式とR²は右上に表示します。
  5. Applyを押したときだけ、調整後の使用pointをCalibration formulaへ反映します。

選択pointは大きく表示され、point以外をクリックすると選択解除します。Y axisは値に合わせて自動調整します。Slopeが表示操作で変化しないよう、curve windowのzoom / pan機能はありません。

R²と欠損cell

  • Calibration formulaは空欄を除外して使用可能なpointだけで計算します。
  • WLS適用時も、Curve windowはCalibration sheetのWeighting列を読み取り、同じ重みとUsed / Excluded状態で表示します。
  • R² cellは再計算後の値に合わせて色を更新します。
  • pointの除外理由は、blank、carryover、saturation、peak形状、調製誤差など分析上の根拠を記録してください。
  • R²だけを上げるための恣意的な除外は、定量rangeと未知試料の正確性を損ないます。

14.統計解析

Report SheetのStatsを押すと、すべての解析を一度に計算せず、最初にPrecheck / Box plotを開きます。必要な化合物だけを選んでから各tabへ移るため、起動時の待ち時間を減らします。

Precheck / Box plot

  1. Group別sample数、全体のmissing率、zero variance、extreme outlier、変数数 / sample数のwarningを確認します。
  2. 右表のUse checkboxで解析対象Compoundを選びます。
  3. Check all / Clear allで一括切替できます。
  4. 右表のrowを選ぶと対応box plotが強調されます。
  5. 解析したいtabへ移ります。PCA、OPLS-DA、Volcano、Dendrogramはtabを初めて選んだ時点で自動計算します。Plot buttonはありません。
Precheck警告意味
Insufficient samples全体n < 3、またはgroup n < 3。推定と検定が不安定になります。
Unassigned groupsGroupがAll / blank。OPLS-DAとVolcanoは2 group以上が必要です。
Missing values有効数値がないcell。ND処理と除外対象を確認します。
Zero variance全sampleで同じ値のCompound。多変量解析へ情報を与えません。
Extreme outliersIQR基準で極端な点。入力・integration・実試料差を確認します。
Variables exceed samples選択変数数がsample数を超え、multivariate modelがoverfitしやすい状態。

各解析tab

解析表示・条件Reportへの保存
PCAPC1 / PC2 score plot。SamplesまたはCompounds、Setting > Statsの前処理、ND処理、group色、point size / opacity、labelsを使用。既存のPCA sheetへScores、Loadings、寄与率などを更新。
OPLS-DA2 groupを選択し、predictive score t[1]とorthogonal score to[1]を表示。point描画はPCAと同じ拡大時のpixel調整方式。Apply to ReportでOPLS-DA sheetへscore、fitted Y、R2X、R2Y、変数数を保存。
Volcano2 group、log2 fold change threshold、p-value threshold。Up / Down / Otherとlabels ON/OFF。Apply to Reportでgroup mean、log2FC、p、-log10(p)、判定を保存。
Box plot選択CompoundのMinimum、Q1、Median、Q3、Maximum。右表の選択で対象plotを強調。Apply to ReportでBoxPlot sheetへNと5数要約を保存。
DendrogramEuclidean distance / Average linkage。Rows = compounds、Columns = samplesのheatmapへ、sample treeとcompound treeを組み合わせ、sample leafをG1-G9色で識別。Apply to Reportでsample / compoundのleaf順、group、merge distanceを保存。

Copy dataは選択中tabの解析結果をclipboardへcopyします。OPLS-DAではVIP、Q²、permutation testは表示しません。Volcanoのp-valueも、少数sampleや多重比較を考慮して解釈してください。

Apply前の条件確認: Area / Height、前処理、ND処理、Sample / Compound mode、group、threshold、使用Compoundを確認してください。同名sheetは最新結果へ更新しますが、解析が成立しない場合は既存sheetを消さず英語errorを表示します。

15.AI / Meta Pick / AutoPick

AI Trainingについて: AI Train / Meta Trainと学習条件は、将来利用またはエンジニアが設定する項目です。本書では設定・実行方法を扱いません。一般利用者は、管理者またはエンジニアから明示的な指示がない限り変更・実行しないでください。

AI PickとMeta Pickの違い

機能動作適した用途
AI Pick保存済みAI modelへchromatogramを入力し、データごとにpeak rangeを推定します。peak位置や形状に多少の変動があり、modelによる推定を利用する場合。
Meta Pick保存済みmetadataに記録されたpeak rangeと定量条件を、そのまま対応するCompoundへ再適用します。実行時にAI学習やPython処理は行いません。以前に確認した同一条件を、別sampleへ再現性よく適用する場合。

Meta Pickが反映する内容

Meta Pickは、指定されたONNX folder内のmetadataと、読み込み済みデータのCompound nameを照合します。一致したCompoundについて、全sampleのchromatogramへ同じ解析条件を適用します。Compound名が一致しない対象は変更せずskipします。

区分反映される情報補足
Peak rangeRange Start - End、またはStart / End複数peakのrangeも反映します。保持できる数はSettingの最大peak数に従います。
定量条件Area_valueIntensity_thresholdArea_valueにはabove zero、above start point、above end point、above min intensityなどのbaseline modeが含まれます。
Compound情報CommentComment2Q1Q2Q3、chromatogram colormetadataに項目がある場合だけ更新します。
Report関連ISTDCalib、使用checkboxReport Sheetでの内部標準や検量線設定に影響するため、適用後に確認してください。

Meta Pickの実行手順

  1. エンジニアまたは管理者から提供されたmetadata入りONNX fileが、Settingで指定されたONNX folderにあることを確認します。
  2. Edit > Setting > StatsMeta PickをONにします。AI推定を使わない場合はAI PickをOFFにします。
  3. 解析するraw dataまたはprojectを読み込み、Compound名がmetadataの対象名と一致していることを確認します。
  4. メイン画面のIntensity thresholdを設定してからEdit Sheetを開き、Meta Pickを押します。
  5. 完了messageのUpdated件数を確認し、chromatogram上のStart / End、baseline、塗りつぶし、Area / Height、Judgementを目視確認します。
Intensity thresholdの優先順位: metadata内にもIntensity thresholdを保持できますが、Edit SheetからMeta Pickを実行した場合は、メイン画面へ現在入力されているIntensity thresholdが最終値として優先されます。複数peakでは復元した各Start / End範囲を個別に判定し、threshold未満のrangeは採用せずGray判定にします。baselineを差し引くかどうかはSettingの設定に従います。
Meta Pickはpeakを探し直しません。 保存されたStart / Endを再利用する機能です。測定条件、column、matrix、RTが変わったデータではpeakからrangeがずれることがあります。適用後は必ずchromatogramとJudgementを確認し、必要な対象だけ手動で修正してください。

AI Pickと同時に使用する場合

AI PickMeta Pickは同時にONにできます。この場合、AI modelを持つ対象はAI推定でrangeを決め、metadataだけを持つ対象はMeta Pickで保存済みrangeを反映します。どちらもOFFの場合はbuttonがPick disabledとなり実行できません。

AutoPick(Button2)

Edit SheetのAutoPickEdit > Setting > StatsAuto pick checkboxだけで有効 / 無効になります。From / To / WidthもStats tabで設定し、buttonの隣には変更不可のsummaryを表示します。AI Pick / Meta Pickのenableとは別です。

自動適用結果は必ず確認: noise、matrix、column、method、RT shift、装置状態が保存時と異なると、AI Pickの誤推定やMeta Pickのrangeずれが起こります。Red / Yellow / Gray judgementとchromatogramを目視確認してから定量に使用してください。

16.Assistant

AutoPilotについて: AutoPilotは将来利用またはエンジニアが設定する機能です。本書では設定・コマンド・実行手順を扱いません。一般利用者は、管理者またはエンジニアから明示的な指示がない限り、Enableやprocedureを変更・実行しないでください。

Assistant

AssistantはmCATの使い方を案内するmodeで、解析を自動変更するAI chatではありません。操作に応じたAdviceはSettingで指定したテキストファイルから読み込みます。内容を差し替えることで表示言語を変更できます。

  • Edit > Setting > MainEnable AssistantをONにし、Help > Assistantを選ぶと直ちに開始します。
  • 独立Popupなのでmain、Edit Sheet、Report Sheet、Calibration、Stats、Settingの各windowをまたいで表示します。
  • File / Edit / Help menu、main右側button、drag & drop、Front Sample、Area value、色、Alignment、Rangeを説明。
  • Edit Sheet / Report Sheetのopen / close、複数sheetの警告、Calibration、Statsの各解析tab、SettingのMain / Stats / Show tabを説明。
  • Adviceは常時有効です。Assistantを開いた直後はManualMemoryがどちらもOFFです。各toggleをONにすると、manual検索欄 / 検索結果と物理メモリ円グラフを個別に表示できます。
  • Manual検索を実行すると、検索語を強調したHTML結果をAssistant枠内へ表示します。Open full manualで設定済みマニュアル全体を既定ブラウザで開けます。
  • ManualまたはMemoryをOFFにした状態は、別の操作説明が表示されても勝手にONへ戻りません。
  • 同じ説明は連続表示せず、hoverは約500 ms継続した場合に表示。
  • Assistant Popupを閉じるとAssistantを終了します。

Assistantで本書を検索する

  1. Edit > Setting > Main > HTML manualへ、このVer.2.0.1.3 HTML fileを指定してOKを押します。
  2. Help > Assistantを開き、上部のManualをONにします。
  3. 検索欄へ機能名または困っている症状を入力し、Searchを押します。例: TIC slowMerge RTArea 0WLS 1/xPCA group
  4. Assistant枠内の結果を読みます。全章を確認する場合はOpen full manualを押します。
検索結果が出ない場合: HTML manual path、fileの存在、versionを確認し、画面に表示されている英語名でも検索してください。検索結果が大きい場合はManualをOFFにするとAdvice部分だけへ戻せます。

17.保存・Import・Cache

Project

File > Save project (.mcatproj)は、Sample、Compound、複数range、metadata、group、濃度などの作業状態を保存します。Load project (.mcatproj)は現在のSampleを消去せず、読み込んだprojectのSampleを追加します。同じSample名がある場合は上書き対象を警告し、確認後に同名Sampleだけを置き換えます。

Excel Export / Import

  • Export file (.xlsx)でrange、metadata、結果をExcel形式へ出力します。
  • Import file (.xlsx)は、読み込んだrangeと条件から現在のraw chromatogramを再計算します。保存済みAreaをそのまま表示するだけではありません。
  • Import中はmain操作をlockし、読み込みと再計算が完了してから解除します。途中でclickやrange変更を行わないでください。
  • 現在Compoundが選択されていても、Importはworkbookの対応Sample / Compound全体を対象にします。元データ、Sample名、ID / transition対応を確認してください。
  • 古いabove_baselineはwarning後にabove_zeroへ変更します。

Cache

Edit > Setting > MainのCacheを有効にすると、読み込みに時間がかかるデータの次回読み込みを短縮できます。元データが変更された場合は自動的に更新されます。

  • Cache = 0で無効。
  • Pump pressure、TIC、Merge RTを変更した場合は、設定を反映するため元データから読み込みます。
  • 保存上限を超えた古い情報は自動的に整理されます。

18.Summary上級設定

Commentに特定suffixを付けると、Report Summaryで直前rowとの定性 / 定量処理を行います。row順に依存するため、使用前に小さいtest dataで結果を確認してください。

SuffixSummary処理
_qual定性transitionとしてSummaryの定量rowから外し、直前rowのqual情報へ追加。
_qualplusqual情報へ追加し、直前rowまたはqualのどちらかが0以下なら直前rowを0。
_qualbetweenA-Bqual / quan比がA%-B%に入るかを判定し、外れをyellow / redで表示。
_quan直前rowと加算。ただしどちらかが0以下なら結果0。
_quanplus直前rowと単純加算。
_quanmin直前rowと比較して小さい値を採用。
_quanmax直前rowと比較して大きい値を採用。
_quansubt直前rowから現在rowを減算。
順序依存: suffix rowは直前rowを対象に処理した後、Summary上から削除されるものがあります。SortやImport後にrow順が変わっていないか確認してください。

19.トラブル対応

症状確認すること
EXEが起動しない64-bit Windowsであることと、配布フォルダ内のファイルを移動・削除していないことを確認。
The data is invalidファイルとフォルダの選択方法、付随ファイルの有無、ファイル破損、測定モードを確認。データフォルダ形式ではフォルダそのものを選択。
Scan dataでCompoundが出ないEdit > Setting > MainのXIC sheet path、CSV保存、Polarity、Mz / Mz2、Start / End、ppm、MS1 / MS2を確認。
.wiff内のサンプルが不足する測定時に作成された付随ファイルを同じ場所に保持し、複数のサンプル名がSample欄へ分かれて表示されているか確認。
.rawフォルダのMRMが少ない測定フォルダ全体を選び、期待する測定区分とクロマトグラム数を既知データと照合。親フォルダを選んだ場合は対象フォルダ数も確認。
Areaが0 / Grayrange未指定、thresholdが高い、peakがrange外、wrong Compound、baseline以上のsignalがない可能性。
Area fillが見えないSettingのArea fill opacityが0%、Styleの背景、Compound colorを確認。
小数桁や末尾の0が反映されないEdit > Setting > Showで対象数値列のDecimal pointを確認し、OKで閉じます。Conc.を編集中の場合は入力を確定してから表示を確認してください。
TICの表示や範囲操作が重いSetting > Show > LCD options > Merge RTへ小さい値を設定し、raw dataを読み直します。まず0.001 min程度から形状とArea / Heightを比較してください。
Merge RTが反映されないSettingでOKを押した後にraw dataを再読込したか、対象がTICか、値が0より大きいかを確認。XIC / MRMには適用されません。
Saturation補正が表示されないSaturation intensityが0でないことを確認し、Smooth styleを選びます。Dark / Whiteでも処理済みを表示する場合はUse smoothing/saturation for display and quantitationをONにします。
Red / Yellowが多いpeak apexがrange端、低いbaseline比、ΔRT、threshold、start / endを確認。自動結果を一括採用しない。
Statsが空 / default chartReport Summary、PrecheckのUse checkbox、0でない選択Compound、PCA Enable、Sample Groupを確認。
OPLS-DA / Volcanoが出ないAll / blankではない2 groupと、各groupのsample数、選択Compound数を確認。
Dendrogramが出ない有効sample 2以上、zero variance / missing、選択Compound 2以上を確認。
別PCでPCAが表示されない配布フォルダ全体を使用しているか、64-bit Windowsか、グラフィックドライバーが最新かを確認。
AssistantがHelpにないEdit > Setting > MainのAssistant Enableを確認。OFFの場合はHelp menuに表示されません。
Assistantを選べないEnableがONでも、指定したAssistant text fileが存在しない場合はdisabledです。pathとfile名を確認します。
Assistantのmanual検索が空SettingのHTML manual pathがVer.2.0.1.3の実在fileを指しているか確認し、画面の英語名または短い日本語keywordで再検索。
Meta PickのUpdatedが0raw dataとCompoundが読み込まれているか、Meta PickがONか、指定ONNX folderにmetadata入りfileがあるか、metadataの対象名とCompound名が一致するかを確認します。不足するmetadataは管理者またはエンジニアへ確認してください。
Meta Pick後にrangeがないメイン画面のIntensity thresholdが高すぎると、保存済みrangeを復元しても個別判定で除外されます。threshold、baseline差引設定、range内の最大強度を確認します。
Meta PickのrangeがpeakからずれるMeta Pickは保存済みStart / Endを再利用し、現在のpeak位置を推定し直しません。RT shiftや測定条件差を確認し、必要なrangeを手動で修正します。
Structureが開かない選択rowのSmiles欄に正しいSMILESが入力されているか確認。
Import中に操作できない仕様です。statusが完了してlockが解除されるまで待ちます。大量dataでは時間がかかります。

問題を切り分ける情報

  • Help > Versionのversion。
  • 入力path、拡張子、測定モード。
  • XIC sheetの該当row。
  • 表示された英語errorの全文。
  • 再現する最小sampleと手順。
  • Settingの関連tab、項目、設定値。

20.用語・付録

用語意味
Sample測定file内のsampleまたは測定data unit。
Compound化合物、transition、TIC、pump pressureなどの表示対象。
MRM / SRMprecursor / product ionの組合せをmonitorする測定。
XICExtracted Ion Chromatogram。指定m/z windowから抽出したchromatogram。
TICTotal Ion Chromatogram。各scanの総ion intensity。
Merge RT指定RT幅内のTIC点をまとめて点数を減らす読込設定。単位はminutes。
RT / ΔRTRetention Timeと、Alignmentによるtime shift。
Area / Heightpeak積分値 / peak最大高さ。
Decimal pointSample / Compoundの数値列ごとに指定する表示小数桁。指定桁まで0を補いますが、元の数値や計算精度は変更しません。
Baselinepeak signalから差し引く背景level。
ISTDInternal Standard。応答補正に使う内部標準。
CCCalibration Curveに使うsample group。
WLSWeighted Least Squares。検量線pointへ濃度に応じた重みを与える回帰。
SettingEdit > Settingから開くMain / Stats / Showの設定画面。旧版のConfigに相当。
PCA教師なしの主成分分析。
OPLS-DAgroup差のpredictive / orthogonal成分を分ける教師あり解析。
Volcanofold changeとp-valueを同時表示するplot。
Dendrogramdistanceとlinkageに基づく階層cluster tree。

連絡先

株式会社ビーフォース(BeForce Inc.)
〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目23番2号 ParkFront博多駅前1丁目5F-B
TEL: 092-982-2566 / FAX: 092-982-2677
URL: https://be-force.co.jp

Document control
文書名: Multi-ChromatoAnalysT 操作マニュアル
対象version: 2.0.1.3
改訂日: 2026-08-08
文書種別: 操作説明書