起動プログラム名:Mass Spectrum Viewer

Mass Spectrum Viewer 説明書

本説明書は、TXT形式の質量分析データを読み込み、TIC / XIC、各 scan のマススペクトル、 前駆体候補、MS2ターゲット候補を確認するための Mass Spectrum Viewer の使用方法をまとめたものです。

TXT読込 TIC / XIC MS1 / PRM / MS2 Positive / Negative ピークラベル 前駆体候補抽出

1. ソフトウェア概要

Mass Spectrum Viewer は、テキスト形式で保存された質量分析データから、scan ごとの m/z 配列intensity 配列 を読み取り、 クロマトグラムおよびマススペクトルを視覚的に確認するためのアプリケーションです。

主な用途 TIC / XIC の確認、scan の切替、MS1・PRM・MS2 の比較、前駆体候補の抽出、MS2 ターゲット候補の整理。
対応データ 1つの TXT 内に複数 scan が連続して記録され、各 scan に idRTm/z arrayintensity array が含まれる形式。
主な拡張機能 XIC 抽出、Polarity 分離、ピークラベル表示、ドラッグ拡大、前駆体 m/z 自動抽出、MS2 候補表出力。

主な機能一覧

2. 起動と基本操作

起動手順

  1. Mass Spectrum Viewer を起動します。
  2. 画面左上の TXTを開く をクリックします。
  3. 対象の mass spectrum TXT を選択します。
読込後は scan 数、MS1 / PRM / MS2 の内訳、Positive / Negative の内訳がステータス欄に表示されます。

3. 画面構成

① 上部操作バー
TXTを開く現在scanをCSV保存、前後 scan 移動、現在の scan 番号・RT・Type・読込ファイル名を表示します。
② 表示条件エリア
scan スライダー、Scan種別Polarityクロマトグラム、XIC 条件、m/z 範囲、相対閾値、Log 表示、折れ線表示、ピークラベル表示などを設定します。
③ 前駆体候補 / MS2候補エリア
前駆体候補を抽出 を実行すると、左に前駆体 m/z 一覧、右に MS2 ターゲット候補一覧が表示されます。
④ TIC / XIC エリア
上段グラフです。保持時間方向の挙動を確認します。クリックで近傍 scan 選択、ドラッグで RT 範囲拡大ができます。
⑤ Mass Spectrum エリア
現在選択中 scan のスペクトルを表示します。ドラッグで m/z 範囲拡大ができます。
⑥ ステータスバー
読込結果、拡大範囲、保存完了などのメッセージを表示します。

4. 標準的な使い方

  1. TXT を読み込む
    左上の TXTを開く からデータを選択します。
  2. 表示対象を絞る
    Scan種別Polarity を選択し、見たい scan 群に絞ります。
  3. TIC または XIC を見る
    クロマトグラムTIC または XIC を選びます。XIC の場合は XIC m/z± tol を入力します。
  4. RT 上で scan を選択する
    TIC / XIC 上をクリックすると、その RT に近い scan が選択されます。
  5. マススペクトルを確認する
    下段に現在 scan のスペクトルが表示されます。必要に応じて m/z 範囲や閾値を調整します。
  6. 候補抽出を行う
    前駆体候補を抽出 を押して、前駆体一覧と MS2 ターゲット候補一覧を生成します。
  7. 候補から XIC / scan に連動させる
    候補行を選んで 選択前駆体をXICへ反映 または 選択候補へ移動 を使います。

5. 各機能の詳細

5.1 Scan種別

項目内容
All全 scan を表示対象にします。
MS1MS1 のみを表示対象にします。
PRMPRM と判定された scan のみを表示対象にします。
MS2MS2 のみを表示対象にします。

5.2 Polarity

scan の id 文字列から positive / negative を自動判定し、表示や候補抽出に反映します。

項目内容
Allpositive / negative の両方を対象にします。
Positivepositive scan のみを対象にします。
Negativenegative scan のみを対象にします。
例として、FTMS + ... ESI は Positive、FTMS - ... ESI は Negative として扱います。

5.3 TIC / XIC

項目内容
TIC各 scan の全強度和を保持時間方向に表示します。
XIC指定 m/z 付近の強度のみを保持時間方向に抽出して表示します。
XIC m/zXIC 抽出の中心 m/z を入力します。
± tol抽出許容幅です。例えば 0.02 とすると、中心 m/z ± 0.02 の範囲で抽出します。

5.4 m/z 表示範囲

項目内容
m/z最小 / m/z最大下段スペクトルの表示範囲を手入力で制限します。
m/z拡大解除拡大や手入力で変更した m/z 範囲を元に戻します。

5.5 相対閾値・表示形式

項目内容
相対閾値(%)最大ピークに対する相対値で低強度ピークを除外します。0 の場合は除外なしです。
Y軸 Log強度軸を対数表示にします。
折れ線表示スティック表示ではなく折れ線表示に切り替えます。
ピークラベル上位ピークに m/z ラベルを表示します。
ラベル数ラベル表示するピーク数を指定します。

5.6 scan 移動

5.7 拡大操作

操作対象動作
TIC / XICドラッグすると RT 範囲を拡大します。TIC/XIC拡大解除 またはダブルクリックで解除できます。
Mass Spectrumドラッグすると m/z 範囲を拡大します。m/z拡大解除 またはダブルクリックで解除できます。

6. 前駆体候補・MS2ターゲット候補

本ソフトウェアでは、MS2 / PRM scan の情報から前駆体 m/z 候補を自動抽出し、ターゲット候補表を作成できます。

6.1 前駆体候補の抽出

6.2 前駆体 m/z 一覧

左側の一覧には、主に次の情報が表示されます。

6.3 MS2 ターゲット候補一覧

右側の一覧には、解析候補として使いやすいように次の情報が表示されます。

6.4 候補の活用

操作内容
選択前駆体をXICへ反映選択中前駆体の m/z を XIC 条件に反映し、必要に応じて Polarity も合わせます。
選択候補へ移動代表となる MS2 / PRM scan へ移動します。
候補行のダブルクリック一覧からすばやく連動表示する操作に使えます。
前駆体候補のグループ化は polarity をまたがずに行われます。Positive と Negative は別々に整理されます。

7. 保存機能

7.1 現在 scan の CSV 保存

現在scanをCSV保存 では、現在選択中 scan の内容を CSV として保存できます。

主な出力列は以下の通りです。

7.2 候補表の CSV 保存

候補表をCSV保存 では、ターゲット候補一覧を CSV 形式で保存できます。

8. 仕様上の注意点

9. トラブルシューティング

症状確認事項
データが表示されない 読み込んだ TXT に scan 情報、m/z array、intensity array が含まれているか確認してください。
また、Scan種別Polarity の条件で絞り込みすぎていないかも確認してください。
XIC がほとんど出ない XIC m/z± tol の値を確認してください。許容幅が狭すぎる場合、強度が拾えないことがあります。
ピークが少なく見える 相対閾値(%) が高すぎないか確認してください。必要なら 0 に戻してください。
表示が一部しか見えない RT または m/z を拡大した可能性があります。TIC/XIC拡大解除 または m/z拡大解除 を押してください。
前駆体候補が出ない データに MS2 / PRM scan が含まれているか、または polarity / scan種別 の条件で除外されていないかを確認してください。